頑張ることと無理することは全然ちがう。
先日大事な人から言われた言葉。
彼女は私の親友で、大学で知り合った頃、精神病だった。(重いうつ病、という感じ)
それこそ落ちるところまで落ちた、というか…
私がこれまで出会った人の中で、
たぶん一番「死」に近い人、だった。
制作をともにやっていた頃も、
連絡がつかないのは日常茶飯事。
消えるようにいきなり音信不通になることが度々だった。
それでも。
それでも私が彼女のことを諦めなかったのは、
彼女と話をしていると、
なぜかいつも心の波がすっとおだやかになるからだ。
全て見透かしたように、
でも抱擁するように、
私の話を聞いて優しい言葉をくれた。
とりとめがなくて、危うい感じがして、
いつお互いを忘れてしまってもおかしくない関係の中で、
それでも。
単純に私には彼女が必要だと思えた。
それに、
こんな話信じない人も多いだろうけれど、
初めて話した時から、
何か彼女とは、
遠い昔から繋がっていたような、そんな感覚があった。
前世で関係があったとか、そんな感じかなぁ。
それで、ようやく制作が終わると、
頑張って膨らませ続けていた「穴の開いた風船」が、
息が途切れた瞬間に、ぷしゅーっと一気にしぼむみたいに…
また彼女と長い間連絡がつかなくなっていた。
彼女は去年で大学を辞めていた。
それは彼女にとって、
小さくて大きな決断だったと思う。
きっと、
社会と自分を唯一つなぐ、細い一本の希望だったと思うから。
月に数える程しか登校できなくても、
所属していることで東京にいれる理由になっていただろうし、
まだ可能性はゼロじゃない、
またいつか元の自分に戻ってちゃんと通えるかもしれない、
っていう希望だったと思うから。
学校を辞めて実家の福島に戻る時も、
すごく不安だ、と言っていた。
だから私は、
「じゃあ今すぐじゃなくていいんじゃない? 波に乗るように、気持ちが落ち着いている時に、
それを狙って引っ越せば?」
と言っていた。
そしたらそれからしばらく経って、無事引っ越したことが分かった。
今でも彼女とは、連絡を取り合っている。
東京から実家に戻る前、チワワを飼い始めて、
そのワン子のおかげもあって、最近はだいぶ体調が落ち着いているみたいだ。
いつもいつも、
彼女は私を心配してくれる。
「大丈夫?疲れてない?」って言ってくる。
それは言い換えれば、
「私みたいにならないで。」なんだと思う。
彼女も病気になる前は、相当がむしゃらに頑張っていたみたいだ。
そしてある時、
穴に、落ちてしまった…
彼女からのメッセージは、
いつも、
焦りすぎて空回りしそうになる私の気持ちにブレーキをかけてくれる。
「急がなくていいんだよ。 疲れたら休みな?」 と。
そして
頑張ることと無理することは全然違うんだよ と言われた。
一度死んで、彼女は戻ってきてくれた…
私のところに。彼女の彼のもとに。
だから彼女は、
きっと神様からの使者なんだと思う。
あの時もし本当に彼女がいなくなってしまっていたら、
今の自分にどれだけ大きな穴になっていただろうと思う。
一度死んで、彼女は戻ってきてくれたんだ…
死というものと、生というもの。
彼女に出会って、初めて、それを身近に感じることができた。
彼女に出会えて、
本当に私は幸せだったと思う。
彼女とは、
おばあちゃんになっても、
一緒にお茶を飲みながら語りたい。