mirion


深夜のテレビ番組「虎ノ門」で、

井筒監督が大絶賛していたこの映画を見てきた。


見に行く前、ネットで見た人の感想を読んだら賛否両論だった。

で、私の率直な感想は…


この映画は 

良いとか悪いとか、そういうことを言える映画じゃない気がする… そんな感じ。


「生きる」って何か。

「人がほんとに生きる」ってどういうことか。

「人間の尊厳」。

井筒監督が言っていたように…

そういった深いテーマ。





上映が終わった瞬間、

そそくさと席を立って出て行く人達が多かった。


エンディングロールを全て見終わるまで、

なんだか身動きが取れなくなっていた私としては、

少し驚いたけれど…

きっと、(心に)何も響かなかった人もいるのかもしれない。

というか気持ちがどんよりして、

早くその場を去りたかったのかもしれない。

ネットの感想にも、

「とにかく暗い。見終わった後気分が落ちる。」というコメントがあったし。


だけど。

私には、

だから良い映画だった、と思える。

だって、それだけリアルだと思うから。

逆にあの映画が、

こじつけたように希望を見出して、ハッピーエンドにされていても、

私はすっきりしなかったと思う。





同行していた友人とは、

帰り道、映画のことは何も話さなかった。


それぞれに感じることがあっただろうし、

もしかしたら何も感じなかったかもしれないし。


ただ、

私は今さっき投げかけられた問いを反芻しながら、

そう簡単には見つかりそうもない答えを探してる、

そんな気分だった。