バックミラーごしにいつも見ていた。
サングラスの下で、今いったいどこを見てるの?
今どこを走ってるの?
あと何時間ドライブは続くの?…
子供みたいに見つめるだけだったけど、ほんとに楽しかった…
たまに私だけに投げかけてくれる優しい一言が、嬉しかった…
あのリーダーだったから、みんなが、ハッピーで、
どのバンより、じぶんらの旅が一番!って思えた。
誰よりも旅を愛していて、
誰よりもやんちゃで、
誰よりも一日一日を楽しんで。
「俺の家? こいつがマイホームだよ。」
そう言ってよく、
“フーリオ”と名付けられた彼のバンを、なでなでしていた。
何百キロもの荒野を、“フーリオ”に乗ってドライブした。
ずーっと向こうまで続く広い広い茶色い大地を、
ひたすら見ていた。
ドライブの時間が何より好きだった。
広大な大地を前に、無になれたから。
あの旅
からもう一年。
東京のセメントを走るもぁっと熱い風に、
突然、
去年見たあの風景と、感じた気持ちがフラッシュバックしてくる。
せつない…
せつないな…
だってわかっている。
あの12人全員がともに旅することは、
もうないだろうって。
リーダーとフーリオが、
今頃どこを旅しているのかも、
わからない…
思い返せば思い返すだけ、
ちょっと泣けてきそうな気分になる。
笑い泣きな気分。
でも、
それだけ良い旅だった。
それだけ想いの強い旅だったって事だ。
もう一度あのバンに乗って、リーダーと、仲間と、何百キロもドライブをしたい。
できれば、
去年のあのメンバーと、
もう一度、ロサンゼルスから旅の続きをしたい。